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コリンズに学ぶ100mの極意

  • 投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ

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コリンズに学ぶ100mの極意

今年の2月、とんでもない記録が達成された。
Pedro's cap 2015という大会の男子60mにおいて、キムコリンズ選手(セントクリストファー・ネイビス)が6秒47で優勝したのだ(日本記録は朝原宣治の6秒55)。
記録もさることながら、驚くべきはキムコリンズ選手は2015年5月8日現在で39歳の超ベテランスプリンターだということである。
20代後半でピークが来ると言われる100mにおいて、キムコリンズ選手は2011年の世界選手権の100mで銅メダル、昨年には9秒96という自己ベストを更新している。
このように40歳間近にもかかわらず、世界のトップで記録を更新し続けるキムコリンズ選手を分析してみた。

動画は2月の60mの映像である。
トップでゴールしたのがキムコリンズ選手。
この速さを支えるものとして、二つの特徴があると考える。

1、世界一のシザース
シザースとは、簡単に言えば足が接地したときに逆足がどこまで前に出ているかに着目した指標である。
シザースが速い選手ほど、タイミングが遅れずに速く前に足が出てくるので、高いピッチが可能となる。
キムコリンズ選手は、トップ選手の中でも断トツでピッチが速い。
動画からも素早く足が前に出てくる様子を見ることができる。
このようなキレを可能としているのは、神経伝達速度の速さにあると考える。
神経を鍛えるためにかなりの瞬発的な練習を積んできたと想像できる。

2、全く無駄のない力伝達
キムコリンズ選手を凝視してみると、一歩一歩で前にはねているような気がしてくる。
この「前にはねる」技術は陸上選手にとって非常に重要な要素であり、かつそれをこのピッチで行うことは、コムコリンズ選手にしかできないことだろう。
走るときには、微力ながら上下前後左右さまざまな方向に力が生じる。
「前にはねられる」ということは、それらをうまくコントロールして、ブレーキに変えずに推進力に変換できている証拠なのである。

どのスポーツでも、年を重ねるごとに無駄のない繊細な動きができるようになっていく。
キムコリンズ選手は100mで最も洗練された動きを行っている選手の一人であると考える。
私も現役時代はずっと彼の走りを参考に走ってきた。
みなさまの参考になれれば幸いである。

  • 投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ

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