【コーチ向け】指導者として選手のコンディションをどう正確に評価していくか
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
投稿者:佐々木優一BOC認定トレーナ
【コーチ向け】指導者として選手のコンディションをどう正確に評価していくか
マレーシア代表のチームで選手を見ている際に、特に考えなければならないのが
・選手はそれぞれのトレーニングからどよのような疲労を感じるか
・それに応じて、想定していたトレーニングをどうアレンジしていくか
ということです。
このある意味目に見えないものを、これをいかに正確に行うか、そしていかに外部の人間に納得してもらうだけの客観的なものにするかが重要になってきます。
今回は私が行っている方法をご紹介します。
これに対して、自分はトレーニング前に必ずウェルネスチェックをしています。
自己申告なので、自分が選手から信頼されているかどうかわかるいい機会です。
このウェルネスチェックには睡眠時間やその睡眠の質、筋肉痛などが含まれています。
ここで大事になってくるのは、またまた自己申請ではありますがRPE (Rate of Perceived Exhaustion)、つまりどれだけトレーニング後に疲れているのかを主観的に選手から正直に言ってもらう。
ここも選手との信頼が大事になって来ます。
これでトレーニングがどれだけきつかったのかがわかります。
そして、最後に大事になってくるのはTotal Load Volume(合計負荷量)です。
つまりこれはどれだけの量を今のトレーニングセッションでやったかということになります。
例えばバックスクワット、120kgを5レップス、5セットとするとこのエクササイズの合計負荷量は3000(120x5x5)=3tになります。
そして追加で同じ負荷でデッドリフトをすれば合計負荷量は6000になります。
つまり、6tをあげたことになります
ここでは、自体重トレの場合はどうするのか?片足はどうするのか?などなど負荷の基準もエクササイズによっては非常に難しくなります。
なので、しっかりと一貫したルールを決めましょう。
例えば自体重トレーニングの負荷は0にするとか。
これも非常に曖昧ですがデータが集まれば非常に有効な回復・トレーニング進度の指標になります。
なぜなら毎回毎回トレーニング後にいちいち採血や採尿するのは現実的ではありませんからねぇ。
まぁ人員とお金があればやってもいいと思いますが。
さて、ここで集めたデータを自分は一つのスプレッドシートに打ち込んでいきます。
(上の画像を参照)
そして、横にちょっと見えているのがそのデータを元にしグラフです。
週ごとの合計・平均がこのグラフに出るようにするとウェルネスチェック、RPE、合計負荷の関係性が見えて来ます。
例えば今見せている選手は1日に2回自分とトレーニングをしています。
彼のいいところは常に8−9時間の質のいい睡眠といい食事がとれているということです。
なので回復が早い。
一度、一日の合計負荷が18t以上になった時があります。
その時はさすがに両方のセッションのRPEは9と8と高いものになりましたが翌日は筋肉痛もなくけろっとしていました。
そして、もう一つのさらに重要な発見は彼を追い込みたい時にどれだけの合計負荷にすればいいのかがわかったということです。
彼の場合はグラフを見ると一つのセッションで8tを超えた時にこのトレーニングはきついと感じるようです。
さて、これが自分がオリンピック・パラリンピックチームでやっている選手を追い込む時の考え方です。
皆さんはどういう風にされていますか?
今週のセミナーでお話しできるのを楽しみにしています。
お知らせ:
11月27日に都内で自分のワークショップを開催します。
この記事のような内容を詳しくご紹介し、みなさまのパフォーマンスアップに貢献していきたいと思っています。
詳細はスポーツクラウドトップページのピックアップ欄にあるイベントから。
もしくはフェイスブックのイベントよりチェックしてください。
*************************************************************************
筆者:
佐々木優一
マレーシア オリンピック代表チーム帯同セラピスト
☆MS.,ATC.,LAT., NASM-PES。BOC認定アスレティックトレーナー(ATC)。
大学院レベルでファンクショナルトレーニングを学んだ唯一の日本人。
メジャーリーガーなど海外のトップ選手のケアを担当。
リオ五輪でマレーシアチームから出た銀メダリスト、パラの金メダリストを複数担当(パラはすべて世界記録)
*************************************************************************
投稿者:佐々木優一BOC認定トレーナ
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
【新着】関連記事
この記事を見た人はこんな記事も見てます。
-
【5分で追い込める】自重で行うサーキットトレーニング【フランクメドラノ】
冬季のトレーニングでおなじみなサーキットトレーニング。 ...
2017年11月09日
-
【動きの「キレ」を獲得する】NFL選手も行うアジリティトレーニング
今回は動きのキレを向上させるアジリティトレーニングの紹介...
2018年04月28日
-
【可動域&安定性の強化】身体をコントロールしてみよう!アニマルウォーク5種目
今回は身体を自由に操る為におすすめであえる「アニマルエク...
2018年11月13日
-
ライザップでのトレーニング
YoutuberのMasuoさんがライザップのトレーニン...
2015年07月18日
-
なるほど!肩甲骨の6つの動き
今回は肩甲骨の動きの解説を行います! 肩甲骨には6...
2016年05月23日
-
楽!簡単!効果あり!【胸椎回旋トレーニング】
野球・水泳・ゴルフなど多くの競技に回旋運動は使われていま...
2016年07月08日
-
たった4分でバキバキに!体幹強化サーキット
体幹強化4分間サーキットを紹介します! 1種目20秒、...
2015年12月02日
-
自宅でできる腸腰筋のトレーニング
-
上半身をがっつりトレーニング!【25種目のプッシュアップ】
-
世界一キツイ腹筋?
-
【股関節の可動域向上】太ももを高く引き上げるダイナミックストレッチ「レッグクレイドル」
-
日常生活で一工夫!階段上りで内転筋強化
-
高難度!ラフター懸垂
-
3Dドッチボールが楽しそう!
-
【フリーウエイト】最大筋力を高める4つの方法
-
無駄なく動けるように!重たい物を利用したウォークトレーニング
-
【真似してみよう!】 ラグビー世界最強チームのトレーニング
-
見よう見まねでやってない? バウンディング〜入門編〜
-
これが世界のジャンプマン!あなたは垂直飛びでどれくらい跳べますか?
-
動体視力のトレーニング方法!
-
脂肪を燃焼させていこう!3分間で効果的に脂肪燃焼トレーニング
-
”壁”を利用した腹筋トレ!
-
人類最速の体作り!ボルトの体幹トレーニング
Category New/カテゴリー新着情報
- 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細陸上競技
- 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細ケガ・ストレッチ
- 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細サッカー
- エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細栄養・食事
- 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細野球