【日本初の9秒台!桐生祥秀選手の走りを分析!】前半の走りに注目!
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投稿者:窪田 望都100mマスターズ日本記録保持者
【日本初の9秒台!桐生祥秀選手の走りを分析!】前半の走りに注目!
桐生祥秀選手(東洋大)による日本人初の100m 9秒台(9.98)のニュースは、連日世間を賑わせています。
その9秒台のレース。現地で見ましたが、全身に鳥肌が立ち、興奮がずっと冷めませんでした。
何より9秒台が出た瞬間、会場にいた8000人全員が歓喜し、大喝采が桐生選手に浴びせられました!
9秒台の価値を肌で感じれたと同時に、1つの結果でたくさんの方が興奮し、感動し、涙できるスポーツの素晴らしさを知る事が出来ました。
今日はそんな快挙を成し遂げた桐生祥秀選手の9秒台の走りから、前半の加速区間をピックアップし、いくつかの要点に分けて僕なりの解説をしていこうと思います。
①今年から取り組んでいるスタートからの足の軌道
昨年までの桐生選手の出だしの動きですが、スタートから2歩目が地面から離れた軌道を通っていました。要するにスターティングブロックの蹴り出しから少し遠回りした軌道を通って2歩目を接地していたわけです。
今年はその動きを修正し、足首が地面に限りなく近い軌道(若干地面を擦る)で動かせるようになっています。直線的に足が出れば、遠回りした軌道より速く2歩目を着く事が出来ますし、お尻でしっかり地面を押す意識がしやすくなります。
しかしその動きにはデメリットもあります。上から下へ地面を捉える事が難しくなる為、ブレーキングがかかる危険性も増えます。しかし桐生選手の動きを見てみると、出した足に乗り込む動作、つまりスムーズな重心移動がものすごく上手な為、ブレーキがかかる事なく効率よく走れています。
②左右の足の動きに差がない
人間には利き手があるように、足にも利き足というのがあります。もちろん筋力も柔軟性も左右差があるため、動きも右と左では若干変わります。
しかし、桐生選手は他の選手と比べて左右差があまりありません。
この動画を見てもらえばわかりますが、足が地面から離れる瞬間の身体の軸が頭の先から足先まで真っ直ぐになっています。最初の4歩、両足ともしっかり地面を捉え、進行方向にしっかり力を加えられている証拠ですね!
桐生選手はレース後のインタビューで、「スタートは8番目でいい、後半に抜かせれば」と答えていました。リラックスしながらも力強く、そしてスムーズに重心移動出来ているのは才能では無く努力の賜物です。
日本選手権で4番。世界選手権に個人で出れなかった事で陸上競技と向き合えなかった時期もあったそうです。それでも己と葛藤しながらも努力し続けた結果が、この9秒台という大偉業の達成に繋がったのでしょう!
桐生選手の他にも日本には9秒台を狙える選手はたくさんいます。これからの日本短距離界から目が離せませんね!
投稿者:窪田 望都100mマスターズ日本記録保持者
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