エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]
先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代表チームの大活躍もあり非常に盛り上がりを見せました。
そんな中、注目されたのがフランス代表のエムバぺ選手。
19歳という若さながらフランス代表の10番を背負う彼は、その圧倒的なスピードを武器に多大な貢献をしていました。
ではなぜあんなに速いのか、その秘密に迫ってみたいと思います。
【陸上選手のような技術レベルの高い走り】
陸上のコーチから見ても、彼の走りは非常にレベルの高い動きをしています。
特に注目したいのは次の二つです。
・効率的な加速での前傾
上の写真では二人の選手が競り合っています。右のエムバぺ選手と比べると、左の選手は上半身が反っているように見えると思います。
スピードを上げる加速段階では、体が前に倒れた状態(重心を前にすると表現されることもあります)が理想とされます。
これによって効率的に進行方向に対する力の総量を増やすことができます。
逆に左の選手のように加速段階で体が直立もしくは反ってしまうと、脚の力で無理やり加速することになるので、負担も大きくなります。
・左右の体重(重心)移動
また、写真ではエムパベ選手の左肩が右肩に比べると下がっているのが分かると思います。
これはこのタイミングで軸足となっている左足にしっかりと体重をのせられている証拠です。
これによってブレーキを減らしながら、進行方向への力をしっかりもらっています。
サッカーでは「体を当てる」動きが入るため、体幹を固めて動く選手が多い中で、エムバぺ選手は必要に応じて前後左右に体重を移し替えながら走っているため、ある意味陸上選手のような走りといえます。
もちろんこれだけではありませんが、エムバぺ選手はしっかりと速く走るための方法を行っているからこそ、なるべくしてこのスピードを手に入れられていると感じます。
ということは、しっかり意識して練習していけば誰でも確実にスピードアップできると思います。
他のスポーツにも通ずるところはあると思うので、少しでも参考になれば幸いです!
***********************************************
筆者:
荒川優(あらかわゆう)☆プロ走コーチ(タイム100m:10秒5)
➣2010ニュージーランド・オタゴオープン 準優勝
筑波大学出身。スプリントコーチとして、100mで10秒台選手や400mで50秒切りの選手を大量に輩出。指導した生徒数は40000人を超え、日本で最も多くの足を速くしたコーチとしても有名。国際合宿の日本代表コーチも務める。Jリーグ・プロ野球選手・ラグビー日本代表など競技を越えて数多くのトップアスリートを指導するとともに、テレビ(NHK「テレビスポーツ教室」)やイベントなどで大活躍している。
指導→「ランコネ」で検索
オフィシャルサイト→http://yu-arakawa.com/wp/
***********************************************
投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
【新着】関連記事
この記事を見た人はこんな記事も見てます。
-
キックターゲット(ドリブル)
今日は、キックターゲットというドリブルの速さ、キックの正...
2015年09月10日
-
筋トレ後に最適なフィジカルステップトレーニング
筋力トレーニングやウエイトトレーニングをすることで、自身...
2016年10月18日
-
ボールタッチ インサイド編
ボールを股したに置きます。右足のインサイド(くるぶしの下...
2015年02月11日
-
裸足でボールタッチ
今回は部屋でもできるリフティングです。 裸足でボールの...
2015年02月14日
-
カシージャスのトレーニング
レアルマドリード所属、スペイン代表のゴールキーパー、カシ...
2015年06月02日
-
ベガルタ仙台のトレーニング
J1で活躍しているベガルタ仙台の春季キャンプの映像です。...
2015年03月19日
-
アギーレジャパンクロス練習
前サッカー日本代表、アギーレジャパンのクロスからシュート...
2015年05月25日
-
柏レイソルのシュート練習
-
サイドステップトレーニング
-
FCバルセロナ ポゼッション
-
筋トレ後に最適なフィジカルステップトレーニング
-
サッカーはボールタッチが生命線!パスされたボールをしっかり捉えよう。
-
世界トップの瞬発力!メッシ選手のアジリティトレーニング
-
この視点が代表クラス!中村憲剛の視点でプレイ!
-
試合でたくさん使えるフェイント
-
中田英寿のフィジカルの強さ
-
香川真司も使うキックフェイント
-
サッカー下半身強化トレ
-
フェイクパス
-
ルーニーの基礎トレーニング
-
トリッキーヒールパス
-
クロスバーチャレンジ(マンC)
-
【ウォーミングアップにもおすすめ】フットワークコーディネーション【1本のラインでOK】
Category New/カテゴリー新着情報
- 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細陸上競技
- 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細ケガ・ストレッチ
- 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細サッカー
- エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細栄養・食事
- 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細野球