世界室内選手権から見るスタートの極意
世界室内選手権から見るスタートの極意
先日行われた世界室内陸上競技選手権大会。桐生祥秀選手が準決勝で見せた自己記録の6秒56は日本歴代2位の記録、朝原宜治選手が持つ6秒55に迫るタイムながらも、全体の9位で決勝進出を逃しました。
決勝の進出ラインは6秒55で、0.01秒に泣きましたが海外の選手と対等に渡り合った桐生選手の今シーズンが楽しみになりましたね。
さて、映像は男子60mの決勝です。
準決勝でジャマイカのアサファ・パウエル選手は6秒44の今季世界最高を見せましたが、決勝ではアメリカのタイロン・ブロメル選手が6秒47の自己記録で優勝しました。
なぜこの選手たちはこんなに速いのでしょうか。なにか秘密があるのか。それとも足の軌道に無駄がないのか、筋肉がすごいのか。考えられる要因を探っていきます。
①足の軌道
スタートにおいて、足の軌道はとても大切な時間短縮の方法です。すべての選手が身体の前で足を回転させています。かかとがおしりの近くまで流れている選手は一人もおらず、接地をした瞬間に膝から前へ出ていることがわかります。また、足の動きが直線的な軌道を描いていることがわかるでしょうか。ブロメルやパウエルは膝とスネ、足首が一直線になっており、その場踏みをしながら身体の移動をしているだけのようにも見えます。これがスタートで素早く身体を動かすコツのひとつです。
②回転の速さ
1歩目からだんだんと回転を速くしていることがよくわかると思われますが、彼らの回転の速さは異常です。ストライドが広いながらも回転数をあげることで60mの中でトップスピードをいち早く出すことが出来ます。
③上体をあげるタイミング
100mでも同じですが、頭をあげる距離が約30mほどです。30mでいかにトップスピードまで加速していけるかを考えて練習をしていることでしょう。手前でトップスピードに乗せ、それを維持することで人間は速く走ることが出来ます。スタートから素早く頭をあげてしまうと、加速しきっていないのに前半でするべき加速を終えてしまうので、結果的にもったいないということになります。
なので、30m前後で上手く加速しきって中間疾走へつなげることが大切になるでしょう。
以上、私が考える世界室内から見るスタートの極意です。
なにか参考になればよいかなと思います。
この映像は「Fast Misha」様の作品です
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