• SPORTS CROWD ロゴ
  • - アスリートの練習法や、日々のトレーニング、栄養・医療など専門家の知識を集めた、スポーツの新しい楽しみ方を提供する 【スポーツ横断型WEBメディア】 -

  • スポーツクラウド【スポーツ横断型WEBメディア】
  1. HOME
  2. トレーニング
  3. 陸上競技

【まっすぐ振るのは逆効果かも…】腕をまっすぐ振って「速くなる人」と「速くならない人」の違いとは?

  • 投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ

【まっすぐ振るのは逆効果かも…】腕をまっすぐ振って「速くなる人」と「速くならない人」の違いとは?
<スポーツクラウド直営>走りのプライベート指導はコチラ

【まっすぐ振るのは逆効果かも…】腕をまっすぐ振って「速くなる人」と「速くならない人」の違いとは?

「腕は肘を閉じて、できるだけまっすぐ振るように!」
指導者や先生から過去にこう言われた方は少なくないのではないでしょうか?

今回は腕を横に振ってしまう場合と脇が開いてしまう場合を、共に肘が開くと表現していきます。
写真をよく見ると、左の選手は肘を閉じて振っていますが、中央と右の選手は肘が開いているようにも見えます。
また、小学生などを見ていると、肘を閉めようと極端に意識してぎくしゃくした動きになっている子もいます。
ではまっすぐ振ることは間違いなのでしょうか…?

今回は、個人的な見解にはなりますが、私が指導して気付いたことを中心にまとめてみます。

【あなたはどっち?肘が開く2つのパターン】
結論から言えば、その原因によって肘を閉じて腕をまっすぐ振ったときに「速くなる人」と「速くならない人」に分かれます。
原因とは、"そもそもなぜ走るときに肘が開いてしまうのか"という部分です。

①:背中の筋肉が固くなってしまっているケース
広背筋や肩甲骨周りなど背中周りの筋肉がこわばっている方は、走るときに肘が開くことが多いです。
それどころか、歩いているときにも肘が開いてしまう方もいます。
この場合、肘を閉めようと意識するとさらに筋肉が硬直し、動きが小さくなってしまいます。
このケースの方は、肘を閉める意識によって「速くならない」可能性があります。
また、時には胸筋周りの表面の筋肉が原因となることもあります。
まずは背中周り(表面)のストレッチを行ったり、整体院などでほぐしてもらいましょう。

②:肩に力が入っているケース
力が入って肩が上がっている方は、走るときに肘が開くことが多いです、
過度に緊張しやすい方や「絶対勝ってやる」と思いの強い方に特に多い気がします。
肘を閉めるためには、肩周りがリラックスしている必要があります。
言い換えれば、肘を閉めることで肩が上がらずリラックスして走ることができます。
このケースの方は、肘を閉める意識によって「速くなる」可能性があります。
スタート前には深呼吸を行い、できるだけ自分の動きに集中しましょう。

【自分がどちらのケースか見分ける方法】
まっすぐに立った状態から肩を耳たぶにできるだけ近づけましょう。
5秒そのままで静止したら、肩の力を抜いて下にストンと落とします。
これによって肩の力が抜けた状態を作ることができます。
この時に肘を閉じて脇にくっつけてみてください。
この時、
・楽にくっつく=肩以外の筋肉が適切なので②です。
・つきづらい=背中周りがこわばっているかもしれないので①です。


もちろん細分化すればこれ以外のケースもありますが、私の指導の際に多く見られるケースとして参考にしていただければ幸いです。

最後に、トップスプリンターを目指すのであればこの辺を過度に意識する必要はないと思っています。
腕振りは、足の軌道やタイミング、骨格によっても変わってくるため、絶対的なフォームはありません。
このレベルで競技されている方は、”最も体が前に進む自分のベスト腕振り”を見つけてみてくださいね!


※8月12日のセミナーではこのテーマについても詳しくお話しするので、興味があれば是非お越しください(サイトトップのイベント情報より)。

***********************************************
筆者:
荒川優(あらかわゆう)
☆スプリントコーチ(100m:10秒5)
➣2010ニュージーランド・オタゴオープン 準優勝
筑波大学出身。ランニングコネクション代表。スプリントコーチとして大学や子供たちの指導、メディアなどで活動。
オリンピック選手や格闘技世界チャンピオン、Jリーガーなど、種目を超えてトップ選手のコーチも担っている。
出演:NHK「テレビスポーツ教室」など多数。
***********************************************

  • 投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ

【新着】関連記事

この記事を見た人はこんな記事も見てます。

  • 強豪校を見て学ぶ!ハードル歩行

    強豪校を見て学ぶ!ハードル歩行

    今回も高校陸上界の強豪、埼玉栄高校の練習の一部を見ていき...

    2015年12月01日

  • エレーナ・イシンバエワのトレーニング

    エレーナ・イシンバエワのトレーニング

    2004年アテネオリンピック、2008年北京オリンピック...

    2016年02月08日

  • ラップのダイナミックストレッチ

    ラップのダイナミックストレッチ

    ナイキ・オレゴンプロジェクトに参加している、ゲーレン・ラ...

    2015年10月15日

  • ミニハードルで接地時間を短く!ハードルジャンプ

    ミニハードルで接地時間を短く!ハードルジャンプ

    ミニハードルや低いフレキハードルなどを使い、ヒザを高く、...

    2015年12月13日

  • フォームを直すコツは“動画”

    フォームを直すコツは“動画”

    「うちの子はフォームが悪いんです・・・」 「もっとフォ...

    2015年03月03日

  • ヨハン・ブレイク   150m

    ヨハン・ブレイク 150m

    今までボルト選手、パウエル選手とジャマイカの2名を紹介し...

    2015年04月10日

  • スロートレーニングでヒラメ筋を鍛えよう!シーテッド・カーフレイズ

    スロートレーニングでヒラメ筋を鍛えよう!シーテッド・カーフレイズ

    今回も主にランニングに役立つスロートレーニングをご紹介し...

    2016年05月13日

  • 長距離ランナー必見!意外と必要なトレーニング

    長距離ランナー必見!意外と必要なトレーニング

  • スプリントドリル〜スキップ〜

    スプリントドリル〜スキップ〜

  • ジャンプの反動を利用しよう!ボックスからメディシンフロント投げ

    ジャンプの反動を利用しよう!ボックスからメディシンフロント投げ

  • 肩甲骨・腕周り強化補強

    肩甲骨・腕周り強化補強

  • 【つま先を前に向ける意識は逆効果かも…】トップ選手から学ぶ、

    【つま先を前に向ける意識は逆効果かも…】トップ選手から学ぶ、"内転筋"を使った効率的走り方!

  • 坂道ハードル

    坂道ハードル

  • 東京高校 短距離陣の練習法

    東京高校 短距離陣の練習法

  • パウエル 300mT.T分析

    パウエル 300mT.T分析

  • 元世界記録保持者のハードルドリルから学べ!パウエル選手のハードルドリル

    元世界記録保持者のハードルドリルから学べ!パウエル選手のハードルドリル

  • コニカミノルタ流、試合当日術

    コニカミノルタ流、試合当日術

  • 最新トレーニング!アサファ・パウエル、2016年のはじまり

    最新トレーニング!アサファ・パウエル、2016年のはじまり

  • 中・長距離選手へ!レース後の流しでワンランクUP!

    中・長距離選手へ!レース後の流しでワンランクUP!

  • 長距離流体幹トレーニング

    長距離流体幹トレーニング

  • 世界陸上直前!パウエルの練習

    世界陸上直前!パウエルの練習

  • ハードルトレ(潜り+ジャンプ)

    ハードルトレ(潜り+ジャンプ)

  • 跳躍選手必見!”ピストルスクワット”で臀部の爆発力をつける!

    跳躍選手必見!”ピストルスクワット”で臀部の爆発力をつける!

Category New/カテゴリー新着情報

トレーニング
  • 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー
    【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー
    「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細
  • 【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)
    【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)
    アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細
  • 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)
    【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)
    自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細
  • 【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)
    【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)
    自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細
陸上競技
  • 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)
    【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)
    自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細
  • 【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)
    【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)
    自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細
  • 【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意
    【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意
    クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細
  • 【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集
    【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集
    オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細
ケガ・ストレッチ
  • 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】
    下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】
    「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細
  • 下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】
    下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】
    「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細
  • 下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】
    下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】
    「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細
  • 【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識
    【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識
    蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細
サッカー
  • エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]
    エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]
    先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細
  • 【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング
    【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング
    2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細
  • 【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング
    【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング
    欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細
  • 【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】
    【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】
    5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細
栄養・食事
  • 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点
    【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点
    クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細
  • 【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】
    【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】
    色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細
  • 【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能
    【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能
    お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細
  • 【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」
    【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」
    普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細
野球
  • 【肩甲骨に効果大!!】前田健太投手が行うマエケン体操をやってみよう!
    【肩甲骨に効果大!!】前田健太投手が行うマエケン体操をやってみよう!
    ドジャースの前田健太投手が行っている「マエケン...詳細
  • 【肩甲骨が動かないと肩に負担!】野球の調査で分かった肩甲骨とその周辺筋の重要性
    【肩甲骨が動かないと肩に負担!】野球の調査で分かった肩甲骨とその周辺筋の重要性
    肩を痛める選手と肘を痛める選手の違い 同...詳細
  • 「投げる」動作中、肩の内部では何が起こっているのか?
    「投げる」動作中、肩の内部では何が起こっているのか?
    野球のみならず人間の一般的な動作に含まれる「投...詳細
  • 【ヤクルトスワローズ】秋季キャンプのトレーニング
    【ヤクルトスワローズ】秋季キャンプのトレーニング
    体力向上をメインとした「サーキットトレーニング...詳細
コラム
  • 箱根駅伝の区間賞の10人中7人が履いていたシューズ!!
    箱根駅伝の区間賞の10人中7人が履いていたシューズ!!
    今回も箱根駅伝大盛り上がりでしたね。 そんな選手達の頑張りを支える、あるアイテムがあったんです。 それは「NIKE Zoom Vaporfly 4% Flyknit」というランニングシューズです。...詳細
  • 【歯のケアしてますか?】スポーツパフォーマンスと「虫歯」の関係性
    【歯のケアしてますか?】スポーツパフォーマンスと「虫歯」の関係性
    毎日の歯磨き。皆さんはしっかりケアしていますか? 今回はスポーツパフォーマンスと「虫歯」の関係性をお伝えしたいと思います。 【歯は再生しない!】  スポーツ選手が筋肉痛やケガをした時に、...詳細
  • 【トレーニングに必須の知識!】最大筋力を高める4つの方法
    【トレーニングに必須の知識!】最大筋力を高める4つの方法
    瞬発系の種目を行っている選手には欠かせない最大筋力を高めるトレーニング。 最大筋力の発揮には、フリーウエイトでのトレーニングを組んでいる選手が多いかと思いますが、その中でも皆さんはどのような方法...詳細
  • 【海外大学が証明!】目標達成率が劇的に上がる、3つの事前準備とは②「行動可能性」
    【海外大学が証明!】目標達成率が劇的に上がる、3つの事前準備とは②「行動可能性」
    目標達成率をあげるMACの法則【前回の続き】について書いていきたいと思います。 前回のおさらい:【MACの法則とは何か?】 MACの法則とは、アイントホーヘン大学がメタ分析によって証明した、目...詳細

Category/カテゴリー

Sponsor/スポンサー

COPYRIGHT (C) SPORTS CROWD All Rights Reserved