【まっすぐ振るのは逆効果かも…】腕をまっすぐ振って「速くなる人」と「速くならない人」の違いとは?
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投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ

【まっすぐ振るのは逆効果かも…】腕をまっすぐ振って「速くなる人」と「速くならない人」の違いとは?
「腕は肘を閉じて、できるだけまっすぐ振るように!」
指導者や先生から過去にこう言われた方は少なくないのではないでしょうか?
今回は腕を横に振ってしまう場合と脇が開いてしまう場合を、共に肘が開くと表現していきます。
写真をよく見ると、左の選手は肘を閉じて振っていますが、中央と右の選手は肘が開いているようにも見えます。
また、小学生などを見ていると、肘を閉めようと極端に意識してぎくしゃくした動きになっている子もいます。
ではまっすぐ振ることは間違いなのでしょうか…?
今回は、個人的な見解にはなりますが、私が指導して気付いたことを中心にまとめてみます。
【あなたはどっち?肘が開く2つのパターン】
結論から言えば、その原因によって肘を閉じて腕をまっすぐ振ったときに「速くなる人」と「速くならない人」に分かれます。
原因とは、"そもそもなぜ走るときに肘が開いてしまうのか"という部分です。
①:背中の筋肉が固くなってしまっているケース
広背筋や肩甲骨周りなど背中周りの筋肉がこわばっている方は、走るときに肘が開くことが多いです。
それどころか、歩いているときにも肘が開いてしまう方もいます。
この場合、肘を閉めようと意識するとさらに筋肉が硬直し、動きが小さくなってしまいます。
このケースの方は、肘を閉める意識によって「速くならない」可能性があります。
また、時には胸筋周りの表面の筋肉が原因となることもあります。
まずは背中周り(表面)のストレッチを行ったり、整体院などでほぐしてもらいましょう。
②:肩に力が入っているケース
力が入って肩が上がっている方は、走るときに肘が開くことが多いです、
過度に緊張しやすい方や「絶対勝ってやる」と思いの強い方に特に多い気がします。
肘を閉めるためには、肩周りがリラックスしている必要があります。
言い換えれば、肘を閉めることで肩が上がらずリラックスして走ることができます。
このケースの方は、肘を閉める意識によって「速くなる」可能性があります。
スタート前には深呼吸を行い、できるだけ自分の動きに集中しましょう。
【自分がどちらのケースか見分ける方法】
まっすぐに立った状態から肩を耳たぶにできるだけ近づけましょう。
5秒そのままで静止したら、肩の力を抜いて下にストンと落とします。
これによって肩の力が抜けた状態を作ることができます。
この時に肘を閉じて脇にくっつけてみてください。
この時、
・楽にくっつく=肩以外の筋肉が適切なので②です。
・つきづらい=背中周りがこわばっているかもしれないので①です。
もちろん細分化すればこれ以外のケースもありますが、私の指導の際に多く見られるケースとして参考にしていただければ幸いです。
最後に、トップスプリンターを目指すのであればこの辺を過度に意識する必要はないと思っています。
腕振りは、足の軌道やタイミング、骨格によっても変わってくるため、絶対的なフォームはありません。
このレベルで競技されている方は、”最も体が前に進む自分のベスト腕振り”を見つけてみてくださいね!
※8月12日のセミナーではこのテーマについても詳しくお話しするので、興味があれば是非お越しください(サイトトップのイベント情報より)。
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筆者:
荒川優(あらかわゆう)
☆スプリントコーチ(100m:10秒5)
➣2010ニュージーランド・オタゴオープン 準優勝
筑波大学出身。ランニングコネクション代表。スプリントコーチとして大学や子供たちの指導、メディアなどで活動。
オリンピック選手や格闘技世界チャンピオン、Jリーガーなど、種目を超えてトップ選手のコーチも担っている。
出演:NHK「テレビスポーツ教室」など多数。
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投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
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