【速く走るために】手の形はグーとパーどっちがいいのか?
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投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ

【速く走るために】手の形はグーとパーどっちがいいのか?
走るときに手の形はグーがいいのかパーがいいのか・・・
素朴な疑問ですが小学生はもちろんのこと、陸上部でも迷うことがあります。
これについて少し書いてみたいと思います。
サッカーやラグビーなど他競技に方の参考にもなれば幸いです。
では、まずトップ選手たちはどうしているのかを見ていきたいと思います。
世界最速のボルト選手の走りを見てみると軽く握った形をしています。
日本のメダリストである、桐生選手や山縣選手、ケンブリッジ選手はパーに近い印象を受けます。
しかし指をピンと伸ばしているかといえばそうではなく、緩いパーといった感じでしょうか。
グーで握って走る選手はトップスプリンターにはあまり多くないように見受けられます。
今回はこれも踏まえて「リラックス」の観点から述べてみたいと思います。
【リラックスした腕振りを作る「小指」の重要性】
私のおすすめは、「小指を中心に軽く曲げた形」です
その理由は、速く走るためにはリラックスして腕振りを行うことが重要であり、そのためには少し小指を曲げる形が適しているからです。
これについて説明していきたいと思います
体がガチガチに緊張している人を見ると「速くは走れないだろうなー」という印象があると思います。
実際、肩が上がると腕振りも小さくなりうまく振れないことはみなさん実感があると思います。
(まだ体感されていない方はぜひ肩を上げて腕を振ってみてください)
では、今から二つやっていただきたいことがあります。
①親指を軽く曲げて腕を振る
②小指を軽く曲げて腕を振る(薬指も曲がって大丈夫です)
このとき①では胸筋周辺が固まる感覚がしたのではないでしょうか?
このように親指を曲げようとすると胸筋付近が固まり腕振りが制限されてしまします。
手でグーの形を作ると、どうしても親指に意識がいきがちなので同様に固まってしまいます。
②では胸筋が固まることはなかったと思います。
小指に意識を向けると背中の筋肉が機能しやすくなり、リラックスして制限を感じることなく腕を振ることができます。
これを意識してトップ選手を見てみると、パーに近い日本のトップ選手も小指は少し曲がっていることが分かります。
このことから、大事なのはグーかパーかというよりは、小指に意識できるかどうかだということです。
是非一度「小指を中心に軽く曲げた形」で小指から腕を振って走ってみてください。
卵を持つように軽く握る手も有効ですが、親指は中に入れず外に出して走ってみましょう!
少しでも参考になれば嬉しいです。
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筆者:
荒川優(あらかわゆう)
☆大学陸上コーチ(100m:10秒5)
➣2010ニュージーランド・オタゴオープン 準優勝
筑波大学出身。スプリントコーチとして大学や子供たちの指導、メディアなどで活動。
オリンピック選手や格闘技世界チャンピオンなど、種目を超えてトップ選手のコーチも担っている。
出演:NHK「テレビスポーツ教室」など多数。
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投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
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