100m選手においてストライドを落とさずピッチを向上させた事例研究
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
投稿者:たけぞうトリプルジャンパー

100m選手においてストライドを落とさずピッチを向上させた事例研究
冬季練習の季節がやってきましたね。
この冬を機に、走フォームの改善に取り組む選手は多いのではないでしょうか。
ストライドの向上、ピッチの向上・・・課題はそれぞれだと思いますが、
今回は、そのような選手への参考として、ストライドを落とさずにピッチを向上させたオリンピアンの事例を紹介していきたいと思います。
この研究では、100m選手の走法改善を目指し、100m記録は10秒23から10秒21まで記録の改善が見られました。
*
その内容は下記の通りです。
【ストライドを落とさずにピッチを向上させた事例】
1.計画の狙い
・鉛直方向(重力の向き)への力を大きくする
2.実際に得られた結果
・ストライドを落とさずピッチを向上させた
・タイムを10秒5→10秒21まで縮めた
3.タイム向上の要因
接地中の鉛直方向の床反力の力積を大きくするために、それまでは重心を高く保って腿を高く上げて走っていたのを、逆に重心を適度に低く保ち、地面に押し付けるような走イメージに変更した。
→結果的に、タイムが10 秒 21に向上 &ストライドは従来と比較して変化はなく、ピッチ上昇が見られた。
4.その理由
一般にはピッチの上昇はストライドの減少を伴うものであるが、重心を低めに保つことにより、ピッチ増加によって短縮した接地時間内に以前と同レベルの力積を発揮できた
5.改善に用いたイメージ
①接地中にできるだけ鉛直(下)方向に力を加えられるようにするため、適度に低い重心高を保つ(浮かび上がり過ぎない)
②接地中は接地脚に体重を乗せこむようにする
③接地脚は体重を乗せこんだことによってつぶされないように(上下動が起こり過ぎないように)しっかりと支える
④足関節もつぶされないように、できるだけフラットに接地(足底全体で地面を捉える)する
⑤ピッチを低下させないために、離地前後には接地脚の腰を前にリードして、接地脚の前方への回復を促す
以上がこの研究で得られた知見です。
この選手は実際に、走法の改善でアテネオリンピックに出場しました。
ワンランク上の走技術を身に着けたい選手は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
*記事の訂正を致しました。ご指摘ありがとうございした。
投稿者:たけぞうトリプルジャンパー
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
【新着】関連記事
この記事を見た人はこんな記事も見てます。
-
肩甲骨・腕周り強化補強
【目的】 肩甲骨や腕周りを強化するための補強です。 ...
2015年02月08日
-
オルバーニ大学(アメリカ)のウエイト風景
ニューヨーク州立オルバーニ大学の陸上競技部のウエイトトレ...
2015年09月17日
-
上半身の安定性を高める!肩甲骨周りを強化する動的トレーニング
先日書いた「フレーザー補強」の記事では、 スピードをコ...
2016年01月06日
-
フレキハードルランニング
日本選手権、女子100m,200mの2冠を達成した福島千...
2015年07月01日
-
【下半身の最大筋力UP!】片足ホッピング
プライオメトリックトレーニングを行うことで、下半身の最大...
2016年12月11日
-
軸を意識してみよう!ポールを使ったハードルドリル
陸上競技のハードル種目はハードルを素早く飛び越えインター...
2016年01月26日
-
コーナーマーク走
コーナー(ブルーゾーン)からのスタートです。マークの間隔...
2015年02月15日
-
リオ五輪直前!ボルトの筋肉・骨の動き
-
【自分の苦手な部分を改善!】5歩跳びハードル
-
体を思った通りに動かそう!ラダー開閉ジャンプ
-
スプリントドリル〜シザース〜
-
劉翔のウォーミングアップ
-
コニカミノルタ流、試合当日術
-
これが日本代表のコーナーリング!3走のプロに学ぶ!
-
冬季トレーニング〜逆立ち歩行〜
-
【第95回箱根駅伝は東海大学が優勝!】長距離選手とウエイトトレーニングの関係性について
-
【強豪校・岡崎城西高のトレーニング】チューブ歩行で臀筋強化!
-
スタートドリル〜膝上げスキップ〜
-
腕振りの修正方法
-
福島千里選手も愛用!トリガーポイントを使って身体を良く!
-
コントロールテスト〜立ち五段跳び〜
-
20年以上破られない世界記録①
-
コリンズに学ぶ100mの極意
Category New/カテゴリー新着情報
- 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細陸上競技
- 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細ケガ・ストレッチ
- 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細サッカー
- エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細栄養・食事
- 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細野球