メッシのスピードの秘密

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• 2015年03月30日

メッシのスピードの秘密

[筆者]
荒川優
元100m選手（10秒5）、現大学コーチ
ニュージーランドオープン2位
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世界最高のサッカープレーヤーといわれて久しいメッシ（バルセロナ：アルゼンチン出身）選手ですが、そのプレーの秘密を陸上選手の立場から分析させていただきます。
テクニックが注目されることが多いですが、陸上の立場から見れば、最も特徴的なのはその加速力だと思います。
動画を見ると、他の選手に比べて圧倒的に加速が速いです。
その爆発的な加速力によって、テクニックが効いてくるのだと思います。

【ポイントは上半身の使い方とシザースの速さ】
メッシ選手の動きを見ていると、加速の前に必ず進行方向に上半身を倒しています。
サッカーでは足先導で動き出す選手が多い中で、このように上半身から動かし始める選手はまれといえます。
一方で、陸上競技ではスタートのときに前傾するという動作は非常に重要視されており、合理的な加速といえます。
このような上半身の先導によって、重心が前に来るため、爆発的な加速ができているのでしょう。

また、メッシ選手のもう一つの特徴は、足の回転が速いことです。
そしてその回転を可能にしているのが、シザース（足の後ろから前への振り出し）の速さです。
足が遅れることなくどんどん前に出てきています。
これは腸腰筋など体幹部周りの筋肉がしっかりしていないとできません。
実際メッシ選手の体幹部はかなりがっちりしている印象を受けます。
足の回転を速めるためにも体幹部のトレーニングが必要だといえます。

サッカーではテクニックに目がいきがちですが、このようにスピードを高めることはテクニックを活かすことにもつながります。
今後もさまざまなスポーツ選手の動きを、陸上選手の立場から見ていきたいと思います。