【洛南高校のスピードトレーニング】鉛直方向へのバウンディングと意識したいこと
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
【洛南高校のスピードトレーニング】鉛直方向へのバウンディングと意識したいこと
インターハイ2016年・2015年 総合優勝。
先日のリオオリンピックでリレー銀メダルを獲得した桐生選手をはじめとする多数のトップアスリートを輩出している名門洛南高校が行っている練習をご紹介します。
今回は、バウンディングです。
最大スピードを高めるために有効とされているのが、このバウンディングです。
ただ、洛南高校が行うこのバウンディングは一般的に行われているものとは少し異なるのでその点を考察してみたいと思います。
「かかとから入り、上への意識」
よくバウンディングでは、前にできるだけ大きく跳ぶことや、スピードが意識されますが、ここでは一歩の距離を決めて、鉛直方向(上)への意識で行っています。
私が思うこのバウンディングのメリットと意識したいことは3つです。
①足がつぶれない
動画では選手の足が全くつぶれていません。あれくらい上に跳ぶと普通は衝撃に耐えきれず足がつぶれ(膝が抜けつようなイメージ))、連続でジャンプできません。
この練習から、最も衝撃をうまく耐えながら次への動作につなげる体の使い方を身に着けることができると思います。
これによってトップスピードのときでもしっかりと力をコントロールして、高いスピードにつなげることができます。
②筋肉で跳ばない
動画では選手は筋肉で跳んでいません。よくボールが跳ね返るように、というジャンプのイメージが言われますが、まさにそんな感じです。
これは地面に加えた力が外に抜けることなくしっかりと返ってきている証拠です。
速く走るためには、このように筋肉で走るのではなく、筋肉を使わなくても力が効率的に伝達するような体の各関節や骨のポジション、適切な筋肉の脱力が重要だと思うので意識して取り組みたいですね。
③接地でのアクセント
動画では選手は接地の瞬間で腕とリード足を勢いよく振り込んでいます。
この瞬間的なアクセントが大きな力と連続運動を生み出します。
体が空中にあるときはどんなにじたばたしても加速はしません。
加速するのは地面に足がついて力を加えているときだけです。
なので、この接地に合わせたアクセントは、接地時間を短くしたり大きな力を推進力に変えるために非常に重要です。
どんな練習も何をやるか以上に「何を意識してそれを行うか」がとても重要です。
もちろん他にもたくさんの要素がありますが、よかったら3つを意識して動画を見たり練習に取り入れたりしてみてください。
この動画は「tandhnet」様のDVDサンプルです。
***********************************************
筆者:
荒川優(あらかわゆう)
☆大学陸上コーチ(100m:10秒5)
➣2010ニュージーランド・オタゴオープン 準優勝
筑波大学出身。スプリントコーチとして大学や子供たちの指導、メディアなどで活動。
オリンピック選手や格闘技世界チャンピオンなど、種目を超えてトップ選手のコーチも担っている。
出演:NHK「テレビスポーツ教室」など多数。
***********************************************
投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
【新着】関連記事
この記事を見た人はこんな記事も見てます。
-
鉄棒で体幹トレーニング25種目
今回は、鉄棒での体幹トレーニングを25種目紹介します。 ...
2015年09月13日
-
どこまで投げれる?コントロールテスト〜メディシン前投げ〜
コントロールテストの種目その1 「メディシンボール前投...
2015年11月07日
-
ハードルジャンプの効果とは?
ハードルジャンプを行うことで、どのような効果があるのでし...
2015年04月23日
-
100m世界歴代1位〜10位
世界歴代シリーズ!! 今回はお待ちかねの100m!! ...
2015年04月10日
-
【第95回箱根駅伝は東海大学が優勝!】長距離選手とウエイトトレーニングの関係性について
先日行われた第95回箱根駅伝では、東海大学が優勝。 そ...
2019年01月06日
-
【陸上100m】 桐生選手のハードルドリル
いよいよオリンピックでの登場が近づいてきました! 陸上...
2016年08月15日
-
強豪高校を見る!松山高校直伝のツイスト歩行
埼玉の陸上強豪校、松山高校の練習に密着です! 松山...
2016年05月19日
-
【シーズンに向けて!】オリンピアン土井杏南選手が行う高速ステップトレーニング
-
冬季練習に!スケボーでしなやかな動きを獲得する
-
高跳び金メダリストから学ぶ、超一流の効率的な体の使い方!
-
階段での片足ケンケン
-
【走る前にやってほしい】骨盤から大きく動かす「ヒップハイク」
-
あの大学、あの美女アスリートも実践!砂浜でリレーをしよう!
-
【トップから学ぶ】ボルト選手が直接指導する5つの練習ポイント
-
強豪校のハードルトレーニング
-
ボルトの人生を変えたレース!世界ジュニア200m決勝
-
ルメートルのスタート
-
明日から出来る!ハードルドリル集
-
アジリティディスクスクワット
-
【ピッチの向上に】足の前さばきをマスターしよう!「シザース動作」
-
長距離ランナー必見!意外と必要なトレーニング
-
反発を利用してより高く!リバウンドジャンプBOX
-
走り幅跳びに活きる!ダリヤ・クリシナのトレーニング
Category New/カテゴリー新着情報
- 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細陸上競技
- 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細ケガ・ストレッチ
- 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細サッカー
- エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細栄養・食事
- 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細野球