今年こそ9秒台!?桐生祥秀の走りの変化とは!
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投稿者:窪田 望都100mマスターズ日本記録保持者

今年こそ9秒台!?桐生祥秀の走りの変化とは!
先日、桐生祥秀選手(東洋大)が世界室内に出場し、惜しくも決勝進出を逃しましたが予選6.59の自己ベストタイ。準決勝6.56の自己ベストでした!
しかし、そのタイム以上に桐生選手の走りから変化を感じました。
今回はその"桐生祥秀選手の走りの変化"について書いていこうと思います。
予選、準決勝の走りを見て第一印象は「中間疾走の走りデカくなった」でした。
その2本とも歩数を数えてみるとスタートからゴールまで30歩。
一昨年(2014年)に6.59で走った大阪室内や、世界室内での歩数は31歩。
60mで1歩の歩数短縮がされていました。
その中での自己ベスト。それはものすごく価値のある自己ベストのように思います。
では次に走りの内容を見ていきましょう。
スタートは重心低めに飛び出し、その重心の低さを維持したまま加速していきます。
走りに無駄がなく、スムーズな膝や股関節の動きでした。
スピードを上げていく段階では重心を低く地面をしっかり捉えて走りたいと、本人も今回の世界室内前のインタビューで話していましたので、その動きが出来ていたのではないかなと思います。
そして特に変化の見られた中間疾走へ入っていきます。身体が起きた瞬間、上半身の動き(主に腕振り)を起点にギアを切り替えます。ここが桐生選手の強みでもあり、本人も100m走る上で「起き上がる時が好き」と話していました。
今年は加速区間〜中間疾走への切り替え動作が物凄く極端で、それと同時にスピードもグンと上がります。
中間疾走に入り、上半身と連動した下半身の動きは例年になく大きな動きをします。接地した支持足と前に振りだされた足の角度を見ても大きくなっているという事がわかります。
接地前には膝下も前方に振りだされています。
膝下が前に振り出されるような走りは前接地になりやすく、減速の原因にもなるのですが、桐生選手は豪快な上半身の動きと連動した股関節の切り替え動作が異常なほど速く、減速どころかグングンスピードに乗っていきます。これらの動きが31歩から30歩に縮める要因になったのでしょう。
準決勝のレース展開を見ても、優勝した同年代のライバル、アメリカのタイロン・ブロメル選手に前半こそは出られますが、身体が起きる30m付近からゴールまで差を縮めています。
普通のスプリンターではロスになる走りを逆に強みに換えて表現出来る桐生選手。
現日本記録保持者(10.00)の伊東浩司さんも、桐生は今年は確実に9秒台で走る!と予告しています。
僕も今回の世界室内での走りを見てそう思います!
今シーズンが楽しみです!
もっとも変化を感じられる世界室内準決勝の映像は、スポーツクラウドの記事にありますので、そちらをご覧になってください!
[映像は「T&F Athletics」様の作品です]
投稿者:窪田 望都100mマスターズ日本記録保持者
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