年明けから始めてみよう、金メダリスト「フレーザー補強」
- 【関連ワード】
- シェリーアン・フレーザー
- インターバル
- スプリント
2016年01月10日
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
年明けから始めてみよう、金メダリスト「フレーザー補強」
2008年北京オリンピック、2009年ベルリン世界陸上、2012年ロンドンオリンピック、2013年モスクワ世界陸上、2015年北京世界陸上。
これらの大会で7年もの間、100mの最速女王として君臨し続けているのが、シェリー=アン・フレーザー=プライス(Shelly-Ann Fraser-Pryce、1986年12月27日 ‐、ジャマイカ)です。
彼女のもつ100m10秒70(2012年)はジャマイカ記録にもなっています。
そんな彼女の特徴ともいえるのが、前半からの爆発的な加速と、そこからの跳ねるような躍動感のある走りでしょう。
身長は152センチとかなり小さいものの、それを感じさせない大きな走りを行っています。
〔スピードを活かす〝止める″力〕
その爆発力を可能としている一つがこのトレーニングかもしれません。
あのスピードで走る際には、スタートから上下左右にかなりの力を受けていると考えられます。
普通の選手であればこらえきれずに姿勢が崩れたり、体が浮いてしまうでしょう。
この動画では、彼女の行っている15分間のインターバルトレーニングをともに行うことができます。
肩回りと足腰を交互に鍛えていくこの各ドリルの特徴は〝止める″ことに重点が置かれているところです。
ハンドホップにしろ、レッグホップにしろ必ず動きを確実に〝止める″局面を作っています。
これによって、高スピードをコントロールする安定感を得ることができるのだと思います。
以下の行う際のポイントをまとめておきます・
≪ポイント≫
・必ず静止する瞬間を作る
・手もしくは足が接地する瞬間でのみ力を入れて、空中では各部を固めすぎない
(=力のメリハリ)
・【上級者向け】面ではなく点もしくは線で固める
(骨格でロックしたり体で無理やり止めるのではなく、体の中心に近い必要最低限の筋に意識を集中して止める)
止めることを意識する補強は、あまり行われていません。
スタビはあくまで静止を維持するものなので、このインターバルとは効果が異なってきます。
スピードを活かせるかどうかは、それをコントロールできるだけの体の力が必要なので必ずこの能力も養っていきましょう。
この動画は「NikeWomen」様の作品です。
***********************************************
筆者:
荒川優(あらかわゆう)
☆大学陸上コーチ(100m:10秒5)
筑波大学出身。大学コーチとして就任後、1年で全員の自己ベストを更新。
オリンピック選手や代表レベルの選手からも高い支持を受けている。
➣2010ニュージーランド・オタゴオープン 準優勝
***********************************************
投稿者:荒川優元100m選手:スプリントコーチ
- Tweet Follow @Sports_Crowd_
【新着】関連記事
この記事を見た人はこんな記事も見てます。
-
走りに直結!?コントロールテスト〜立ち幅跳び〜
みなさんした事のある立ち幅跳びの紹介です。 両足ジ...
2015年11月17日
-
【第95回箱根駅伝は東海大学が優勝!】長距離選手とウエイトトレーニングの関係性について
先日行われた第95回箱根駅伝では、東海大学が優勝。 そ...
2019年01月06日
-
短距離選手におけるジャンプトレーニングの意義
体力測定としてよく用いられる、垂直跳・立幅跳・立5段跳。...
2016年09月12日
-
ハンマーウォーク
ハンマーを大きく回旋させて、バランス取りながら歩いていく...
2015年07月29日
-
強豪チーム「富士通」も実践!ダイナマックスでサイドランジウォーク
前回の富士通が行っているダイナマックスでのトレーニング第...
2016年02月22日
-
どこまで伸ばせる!?距離が長めのハードルジャンプに挑戦!
現在、移行期のトレーニングをしています。今日は、久しぶり...
2015年11月19日
-
アリソンのサーキット
アリソンフェリックスが2011年に行っていたサーキットト...
2015年06月03日
-
アリソンフェリックスのサーキットトレーニング
-
普段のウォーキングにも使える!「競歩の基礎」1
-
伝説の跳人、ボブビーモンに学ぶ
-
ミニハードルで接地時間を短く!ハードルジャンプ
-
肩甲骨・腕周り強化補強
-
強豪チーム「富士通」も実践!ダイナマックスでサイドランジウォーク
-
冬季練習中のスプリントトレーニング 〜ピッチ編〜
-
劉翔のウォーミングアップ
-
【瞬時に改善点を見極める】走コーチングの着眼点
-
この動きできますか?【ワニ歩きで股関節と肩甲骨を連動させる!】
-
名門校のトレーニングを参考にしてみよう!【京都洛南高校】
-
【走順で差をつける!】 リオ五輪リレー銀メダルに見る、走順の考え方
-
ボルトの人生を変えたレース!世界ジュニア200m決勝
-
【ガトリン選手から学ぶ!】爆発的加速を生み出す膝の使い方!
-
みんなは出来る?ワニ歩きで股関節と肩甲骨を連動させよう
-
オリンピックシーズン開幕!ラビレニの強さを改めて見よう!
Category New/カテゴリー新着情報
- 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細陸上競技
- 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細ケガ・ストレッチ
- 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細サッカー
- エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細栄養・食事
- 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細野球