貴重映像!メダリスト、高平慎士選手のスタートダッシュ
貴重映像!メダリスト、高平慎士選手のスタートダッシュ
北京五輪4×100mRにおいて3走を務め、見事銅メダルに輝いた高平慎士選手。
なかなか練習映像なども出回ることがない高平選手の貴重なスタート練習映像をご覧ください。
この映像は2011-12シーズンのトレーニング映像です。
高平選手はアメリカでトム・テレツ氏に指導を仰いでいます。トム・テレツ氏とはアメリカの陸上競技選手、カール・ルイスを育てた名指導者です。カール・ルイスは9個のオリンピック金メダル・8つの世界選手権金メダルを有し、当時の100mにおいて世界記録を樹立したスーパースターなのです。
そんな名選手を育てた名コーチが教えるスタートダッシュの映像です。
現在でも高平選手はこのスタートダッシュの「かたち」を大切にされているように見えます。
注目していただきたい点は、スタートした1歩目~8歩目の腰の位置、股関節の動き、膝の角度、ひざ下の動かし方です。
まず腰の位置ですが、高い位置を保つようにしています。これは足を大きく動かすことを目的としているでしょう。スタートから大きなストライドと速い回転を自ら作ることでスタートからダイナミックな走りが出来ます。ストライドが広く、ピッチが速いということは速く前に進めることが容易にわかりますね。
次に股関節の動きと膝の角度です。
高平選手は股関節から足を動かして、膝を鋭く前に出すことで足の切り替えを速くしています。足の切り替えが速いということは、回転数をあげることにつながります。また、膝の角度を鋭くすることで、後ろ回転の時間を短縮することが出来ます。高平選手のスタートは足の軌道が前で動いている(もしくは自分の真下で動いている)ように見えると思います。この動きは股関節を主動で膝の角度に注意しているからこそ出来る動きです。この無駄のない動きと力感のない動きが200mを走りきるコツなのかもしれませんね。
最後にひざ下の動きです。
スタートでは、どのような選手も接地が長くなりがちです。止まっている状態から身体を速く動かす場合、地面にいる時間がどうしてもながくなってしまいますが、高平選手のスタートは地面にいる時間が短く、接地が軽いことが映像からわかります。これは接地の瞬間のみ力を入れており、あとは股関節や膝の動きに注意をしているため膝から下へは力を入れていないように考えられます。接地時間が短いことで回転数をあげられ、ストライドも広げることが出来るので、中学生や高校生にはスタートをする際に一番注意してほしい点ですね。
高平選手は2011年に日本選手権男子200mにおいて20秒49で優勝。2012年には静岡国際陸上男子200mにおいて20秒46。日本選手権では20秒56で3位になりロンドン五輪代表入りしました。
200mで日本短距離界を牽引し、北京五輪ではメダルを獲得した高平選手。現在も第一線で活躍しているベテランの高平選手の今年の活躍から目が離せません。
現在では洗練されたレース展開を見せてくれていますので、ぜひ大会に足を運んだり、テレビでご覧になってください。そしてアスリートの方々はぜひ参考にしてみましょう!
この映像は「setandgo.com Official Channel」様の作品です
【新着】関連記事
この記事を見た人はこんな記事も見てます。
-
【キレのある動きを求めて】素早い動きの獲得に!「ステッピングトレーニング」
多くのスポーツでは試合も多くなり、キレのある動きが求めら...
2018年05月22日
-
【名門コニカミノルタ式】骨盤歩きで腹筋・股関節の強化
駅伝やトラックレースの名門、コニカミノルタの練習方法です...
2016年10月03日
-
走りに直結!?コントロールテスト〜立ち幅跳び〜
みなさんした事のある立ち幅跳びの紹介です。 両足ジ...
2015年11月17日
-
ハードルジャンプの効果とは?
ハードルジャンプを行うことで、どのような効果があるのでし...
2015年04月23日
-
今年こそ9秒台!?桐生祥秀の走りの変化とは!
先日、桐生祥秀選手(東洋大)が世界室内に出場し、惜しくも...
2016年04月04日
-
動画で振り返る”なんば走法”
世界陸上2003年フランス、パリ大会の男子200m決勝・...
2015年03月18日
-
アリソンフェリックスのサーキットトレーニング
アリソンフェリックスが2011年に行っていたサーキットト...
2016年10月31日
-
【自分の苦手な部分を改善!】5歩跳びハードル
-
一石二鳥!加速局面の動きづくりと腸腰筋トレーニング
-
ロブレス ハードルドリル
-
ラダーでランニングフォーム作り
-
トップアスリートの動きを参考に!パウエル選手の「ハードルジャンプ」
-
初心者や軽いケガをしている人にもいい?!クロスカントリー走の効果!
-
強豪チーム「富士通」も実践!ダイナマックスでサイドランジウォーク
-
スナッチ 115kg
-
肩甲骨・腕周り強化補強
-
200mのスペシャリストが実践する!プレート腹筋
-
みんなは出来る?【ディップ】
-
【つま先を前に向ける意識は逆効果かも…】トップ選手から学ぶ、"内転筋"を使った効率的走り方!
-
ラップ選手の練習風景
-
【リオでさらなる伝説を】 ウサイン・ボルトのトレーニング
-
【スポーツクラウド冬期練習・水曜日メニュー(追い込む日)】セット走について考える!
-
スティックラダーでスプリント
Category New/カテゴリー新着情報
- 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細陸上競技
- 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細ケガ・ストレッチ
- 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細サッカー
- エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細栄養・食事
- 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細野球