動画で振り返る”なんば走法”
動画で振り返る”なんば走法”
世界陸上2003年フランス、パリ大会の男子200m決勝・・・
末續慎吾選手はこの大会で銅メダルを獲得しました。
これは日本人がスプリント種目で初めてメダルを獲得した歴史的な大会となりました。
末續選手は、ブロックの左右の足をほぞそろえてスタートする”ロケットスタート”や”なんば走法”を取り入れていたことで有名です。
【「なんば」とは】
‘『ナンバ』の動きを取り入れているとされるが、右足(左足)と右腕(左腕)を同時に同方向へ動かしているわけではない。
実際に高野と末續とが取り組んだ走法は、例えば右足が前に出るとき同じ側の胸を脚の上に乗り込ませるようにするもので、その時に自然と右腕は後ろに引かれるが内旋動作がはいるために大きく振ることはできない。
また肩の動きを抑えていると言われる事もあるが実際には上記の理由により大きく前後に動くことはないが、逆に上下には大きく動いており、しかも正面から見た場合には頭から足まで波打つように大きく振られている。’Wikipediaより抜粋
簡単に言えば、上半身と下半身の体の捻りを極力少なくして、股関節を中心に足と腕を動かすことで、スムーズな推進運動を促す動きであると考えます。
当時は筋肉モリモリの腕で体を大きく使ってストライドを高める黒人の走りが主流でした。
その時期において、腕振りをストライドを増幅させるために使わず、あくまで腰の乗り込み動作の補助として使う方法は、かなり斬新だったと思います。
この走法はストライドを出しにくい一方で、ピッチを高めやすいと言われています。
研究では、200mの後半はピッチが極端に落ちることで減速することが明らかになっています。
この動画では、末續選手は後半でもピッチの低下をあまり感じません。
つまり、なんば走法によって後半でも高いピッチを保つことが可能であり、疾走期後半の減速を防ぐことができると考えられます。
よって、この走法はピッチが低下する中間疾走以降で効果を発揮する走法といえます。
スプリンターはどうすれば最高疾走速度を高められるか、ということにこだわりがちですが、どうすれば後半の減速を防げるかを考えることもタイムを上げるためには重要なことだと思います。
そのときに、自分たちに近い日本の選手を分析することで大きなヒントを得られます。
【新着】関連記事
この記事を見た人はこんな記事も見てます。
-
【シーズンに向けて!】オリンピアン土井杏南選手が行う高速ステップトレーニング
今回はシーズンに向けて速い動きを取り入れたトレーニングを...
2018年02月15日
-
ランニング時の正しい腕の振り方とは!?
速く走るためには正しい腕振りを身につける事が重要です。 ...
2016年03月09日
-
まだまだ見せます!パウエルのウエイトトレーニング!
アサファ・パウエルは100m9秒72・200mは19秒9...
2016年03月10日
-
上半身の安定性を高める!肩甲骨周りを強化する動的トレーニング
先日書いた「フレーザー補強」の記事では、 スピードをコ...
2016年01月06日
-
フォローステップ
今回はフォローステップという練習方法を紹介します。 こ...
2015年07月07日
-
【スタート時の爆発力を養う】メディシンボールを使った「スタートイメージトレーニング」
スタートダッシュ時の爆発力は陸上競技の短距離種目を中心に...
2018年07月17日
-
福島千里選手も愛用!トリガーポイントを使って身体を良く!
福島千里選手が2012年の北京五輪を終え、トリガーポイン...
2016年01月21日
-
短距離選手におけるジャンプトレーニングの意義
-
東京高校 短距離陣の練習法
-
中間疾走ドリル〜Bラン〜
-
動画で振り返る”なんば走法”
-
リオ五輪直前!ボルトの筋肉・骨の動き
-
【冬季トレーニングにおすすめ】体幹・肩甲骨周りの機能性を高める【サイドハンドウォーク】
-
インナーマッスルを鍛える!ハンドニーをしてみよう!
-
【練習メニュー】階段でスピードトレーニング(9種)
-
重心の移動を前への力に変えてみよう!メディシン投げ
-
冬季トレーニング〜ハードルでカラ走り〜
-
【200mで19秒74!】スピードをつけたメリットがマイケルジョンソン以来の偉業に挑む!
-
足が速くなる!縄跳びが及ぼす効果とは!?
-
メディシンV字スロー
-
メディシンボールで腹筋を追い込む!体幹トレーニング
-
池田久美子vs花岡麻帆!走幅跳の歴史的名勝負3連発!
-
ルイジアナ州立大学陸上部!
Category New/カテゴリー新着情報
- 【たった3分で追い込める!】最強腹筋トレーニングメニュー「全方向から鍛えられる計6種類の腹筋サーキット...詳細【1日3分】室内でできる全身トレーニング(中級編)アスリートが考えた3分『全身トレーニング』 ...詳細【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細陸上競技
- 【練習メニュー】下り坂でスピードトレーニング(4種)自主練や部活で使えるシリーズ第三弾『下り坂』の...詳細【練習メニュー】上り坂でスピードトレーニング(6種)自主練や部活で使えるシリーズ第二弾『上り坂』の...詳細【恐怖を超えた究極のスタート】コールマンから学ぶスタートの極意クリスチャン・コールマン(Christian ...詳細【長距離ランナー必見!】ランナーにオススメのトレーニング集オレゴンプロジェクト所属のゲーレン・ラップ選手...詳細ケガ・ストレッチ
- 下向肘上げ 改善エクササイズ【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向肘上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ②【ケガ予防フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細下向胸上げ 改善エクササイズ①【フィジカルチェック用】「フィジカルチェック項目:下向胸上げ」の点数が...詳細【梅雨の季節の体調管理】アスリートに必要な知識蒸し暑く過ごしづらい季節がやってきました。そう...詳細サッカー
- エムバぺ(フランス代表)はなぜあんなに速いのか!?[陸上コーチによる解説]先日4年に1度のワールドカップが行われ、日本代...詳細【W杯でも活躍!】サッカーイングランド代表が行なった〇〇を使ったトレーニング2018年ワールドカップ盛り上がりましたね! ...詳細【W杯でも大活躍】レアル・マドリードのトレーニング欧州チャンピオンズリーグ3連覇、今回のW杯でも...詳細【世界トップの瞬発力!】メッシ選手のアジリティトレーニング【間も無くW杯開幕!】5度のバロンドール受賞、5回のチャンピオンズリ...詳細栄養・食事
- 【瞬発的エネルギー!】クレアチン摂取タイミングのポイントと注意点クレアチンはアミノ酸の一種で、筋肉内のエネルギ...詳細【骨強化に】身長を伸ばす為に必要な栄養素【Jr世代は特に大切!】色々な競技の上で、身長が高いということが有利に...詳細【金メダリストの朝ご飯にも!?】正月によく食べるお餅の栄養&効能お正月はおせち料理やお雑煮など、お餅を食す機会...詳細【身体の調子を整える】サプリメントアプローチ「ZMA」普段の食事から摂取するのが難しい栄養素がある場...詳細野球