もう自己否定に陥らない!練習のパフォーマンスと満足度を同時に高める思考法
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もう自己否定に陥らない!練習のパフォーマンスと満足度を同時に高める思考法
今回はこのような悩みを抱えた選手を対象に記事を書きたいと思います。
・練習をしているが、「いつもやっているだけになっている」と感じる
・練習後に自己否定しがちだ(例:今日はもっと頑張れたのに、なんで手を抜いたのだろう…)
私も現役時代は、常に上記のような不安がつきまとっていたように思います。
今回は、そのような不安を断ち切り、かつ練習の生産性を高める思考法「1日の練習目標を一つに絞ること」について書いていきたいと思います。
1.自己否定の危険性
まずは自己否定に陥ることの危険性について確認してみましょう。
自己否定に陥ると、何が問題なのでしょうか。
この「自己否定」の一番の問題点は、“選手の成長を止めてしまう”ということです。
自己否定に陥ると、「自分はなんてダメなんだ」「自分は意志が弱い」といったように、自分を責めがちになります。
このような思考を持つと、練習に対する不安や迷いを常に持ちながら日々の練習に取り組むことになります。
また、この不安や迷いは選手の集中力を奪い、選手が思っている以上にパフォーマンスを下げてしまう危険性があります。
そのような点で、選手の「自己否定」に陥るような要素をできる限り取り除く必要があるのです。
2.解決策
その解決策の1つとして「1日の練習目標を1つに絞る」ことが挙げられます。
例えば、今日の練習がテンポ走ならば、「目標:接地を足裏の1点でとらえること」のみを意識して練習に取り組みます。
これはとてもシンプルな方法なのですが、選手の不安や迷いを断ち切り、さらに練習成果を飛躍的に向上させます。
その理由は下記の通りです。
【理由】
①	不安や迷いを断ち切れる理由
集中すべきことが1つに絞られることで、迷わなくなります。
「迷い」は人の思考能力を劇的に下げ、練習中のパフォーマンスを鈍らせるといわれています。
近年の意思決定の研究によると、商品を選ぶときでさえ「人は選択肢が多いと選択できなくなる」ということが分かっており、迷いの多い状況であるほど意思決定がしにくくなるということが言われています。
②	練習効果を向上させる理由
また、練習目標を1つに絞ることで集中力を劇的に向上させます。
「マルチタスクは能力を下げる」ということが近年研究で言われていますが、これは練習中でも当てはまります。
特に練習は、「パフォーマンスを向上させるため」であり、その都度何かをクリアするための密度の濃い集中が必要となります。
一度にあれもこれも集中するというのは、1つに対する質を下げ結果的に何も得ずに終わってしまうということにつながりかねません。
また、1つに絞るということで、そのテーマのなかで集中的に試行錯誤が行なわれます。
例えば先ほどの「目標:接地を足裏の1点でとらえること」であれば、どの位置でとらえるのが効果的か、1回1回の走りで試すことができます。
このようにテーマを小さく絞ることで、より深く実験的な練習が可能となるのです。
以上の理由から、練習目標を1つに絞ることで練習への生産性を心理的にも技術的にもを高めていくことができます。
3.ちょっとしたコツ
この方法を成功させるためのコツを3つご紹介したいと思います。
①目標をたてるときのコツ
目標を立てるときのコツは、より具体的で小さな目標を設定するということです。
理由は、達成したことを「見えるように」したいからです。具体的で小さな目標であれば、より達成の確立が上がります。
達成した事実が見えることによって、選手は成果を着実に感じることができます。
その1回1回の練習の達成感は、脳の報酬系と強く結びつき、「目標に向かって集中して取り組むこと」を促進してくれます。
練習日誌などに継続して記入するといいかもしれませんね。
②欲張らない
意欲の高い人は、どうしても一回の練習であれもこれもと意識しがちなのですが、記事に書いてきたように、1つへのフォーカスが集中力を高め結果的に成果への近道となります。
毎日の小さな積み重ねは地味だと認識しがちですが、1回1回の練習で目標を達成できると、思っていた以上の達成感と次回へのモチベーションを持つことができますよ。
③できなくても自己否定しない
最も重要なことが、できなかった自分を責めないということです。
思考や行動の習慣というのは、すぐに身につくものではなく、やっているうちに習慣化されていきます。
最初は、1つの目標を設定しても達成できなかったり、目標を設定することすら忘れてしまったり、できない瞬間をたくさん経験するかもしれません。
そのようなときは、まだ慣れていないだけで、これから慣れればできるようになると、自分を責めずに、どうしたらできるのかを考えるといいですよ。
以上のように、思考を少し変えるだけで普段の練習の効果を高めていくことができるのです。
冬季練習をきっかけに、この思考法を習慣化していくこともいいかもしれませんね。
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